長年木工旋盤教室を運営し、数多くのDVDを出してきた川口康氏が、2016年に満を持して出版した「A BOOK ABOUT WOODTURNING」は現在日本における木工旋盤に関する書籍としては唯一の日本語の解説書となります。
厚み 3cmで約500ページのこの本には、ものすごい情報量が詰め込まれています。約2000枚の写真とともに丁寧な解説は、初級者だけでなく上級者の人たちも満足させてくれることでしょう。さらに巻末には300もの専門用語集があります。

この本の構成は大きく分けて前半の基礎知識・テクニックの紹介と後半の10の作例集に分けられます。
前半に関しては、その膨大な情報量から、正直初心者には面食らう部分もあるかと思います。それは、とにかく必要な情報が網羅されているので、初心者にとって重要な内容と初心者には理解が難しい部分がまざって解説してあるからです。どの情報も木工旋盤を上達させる上で大事な要素なのですが、その重要度の判断は初心者には難しいので、全体的に難しく感じるかもしれません。

後半の作例集は、ステップバイステップで写真と共に解説があるので、何を作ろうかと迷っている方にとっては非常によいガイドになるでしょう。
1万円を超える価格に面食らう方もいるかもしれませんが、現在唯一日本語で読める解説書であることから、手元にもっておくと何かと重宝する1冊であることは間違いありません。
「A BOOK ABOUT WOODTURNING」 川口康 著